離婚をしたいと言われた際の対応
離婚話は突然切り出されることが多いと思われます。
離婚話をされることについて、全く心外であった方はもちろん、薄々感づいていた方にとっても、いざ言われると、動揺してしまうのではないでしょうか?
では、「離婚したい」と突然言われた場合、どのように対応するのがよいのでしょうか。
結論から言えば、具体的に、こうすべきだ、ということをこの場でお示しすることはできません。なぜなら、具体的な対応の仕方は、各人や各家庭の事情等により、異なってくるからです。
もっとも、次のような点に気を付けて行動することは、将来のことを見据え場合、離婚話を突き付けられたあなたにとって、より良い方向に話が進むきっかけにはなると思われます。
1 自分で結論を出す
当たり前のことですが、まずは、ご自身の結論を出す必要があります。
相手から「離婚したい」と言われて、あなたは、相手と離婚したいと思っていますか?又は、離婚したくないと思っているのでしょうか?それとも、どちらにしようか迷われているのでしょうか?
まずは、あなた自身の意思として、どうしたいのか、離婚する方向で行くのか、離婚しない方向で行きたいのか、決める必要があります。
ここで注意しておきたいこと(できれば避けたいこと)は、他人の意見に流されて結論を出すことです。
離婚について迷われている方は、ご両親など身近な方にご相談されたのち、結論を出す方も多いのではないでしょうか。身近な方にご相談することは、ご事情をよくご存知の方であれば、有益なアドバイスを貰うことが期待できますので、悪いこととは言えませんし、場合によっては、必要なこととも考えられます。
しかし、その相談の結果得られたアドバイスは、あなたにとって十分なアドバイスでしょうか。法律に則り、離婚した場合のメリット、デメリットがきちんと示されたアドバイスでしたでしょうか。
離婚するかしないかは、あなたの人生にとって、重要な分岐点です。
他人の意見をなんとなく鵜呑みにするのではなく、メリットとデメリットをきちんと理解したうえで、あなた自身で、離婚するか、離婚しないのか、を決める必要があります。
2 相手の言い分を聞く
相手が「離婚したい」と言う場合、それが冗談でなければ、相手なりの理由があります。離婚したいと思う理由があるから、あなたに離婚話を切り出しているのです。
そこで、大事なことは、どうして離婚したいのか、その理由を確認することです。
たぶんこういう理由じゃないか?と思い当たる節がある方であっても、離婚話を切り出した相手に対して、離婚したいという理由を確認することは、大切なことです。お互いの認識に食い違いがあることもあり、理由を聞いてみたら、予想外の答えが返ってきた、ということもあり得るからです。
また、理由によっては、法律上の離婚原因には当たらない可能性もあります。
この場合、考え方にもよりますが、あなたの対応次第で、離婚問題について、あなたが主導権を握ることができる可能性もあります。
理由を確認するためには、相手の言い分をしっかりと聞く必要があります。
相手の言い分にキレて、ヒステリーを起こしたり、お互いを罵り合う口喧嘩をしたり、暴力に訴えたりするなど感情的になることは、お勧めしません。
その当時は、感情の捌け口となるのかもしれませんが、後日思い出せば、またイライラが募るだけでしょうし、将来的なことを考えれば、あなたの言動について、揚げ足を取られる可能性すらあります。
冷静に、相手の言い分をしっかりと聞き、離婚したい理由を確認することが大切です。
離婚を切り出された際、①自分で結論を出す、②相手の言い分を聞く。こんなことは当たり前だと思われる方も大勢いらっしゃることでしょう。しかし、離婚問題を取り扱っている弁護士の視点から確認すると、不十分なケースも見受けられます。
ご自身のケースの場合、どのように対応するのが良いか、こうしているけど大丈夫か等について、一度、離婚問題を取り扱っている弁護士にご相談されることをお勧めします。